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オンラインニュースレター:2013年8月号

2013年8月号



「サマースクール特集」によせて (e01)

高濱 洋介(徳島大学疾患プロテオゲノム研究センター)

本研究班は、今年度から公募班員およびその連携班員を加え研究者43名の所帯となり、先般7月11日から13日、第1回目のサマースクールを開催いたしました。サマースクールは次の3点を目的に企画したものです。
まず、新学術領域研究「免疫四次元空間ダイナミクス」には、免疫学、発生生物学、血液学、構造生物学、組織工学など、異分野にまたがる多様な研究者が参集しています。異なる背景の多様な研究者が、緊密に研究の目的と技術およびアイデアを交換し、互いに学び合うことで、新たな学術領域に臨む視点を共有することを目的としました。
また、さまざまな背景や経験をもつ研究者が胸襟を開いて数日にわたる集中的な交流と議論を行うことで、研究領域の運営や新学術領域の将来展望や課題について認識を共有することを目的としました。
更に、各班員の研究室に所属し本研究領域の次世代を担う若手研究者の参加を促しました。若手研究者が新学術領域の今後のありかたおよび将来にわたる方向性に関する考察を深め、忌憚なく意見交換する場を提供することで、この新学術領域の本邦への定着と今後の発展に資することを目的としました。

このような目的で参加者を募りましたところ、班員12名と班員の研究室に所属する若手研究者30名の合計42名の参加申込がありました。若手研究者30名の内訳は、教員9名、研究員5名、大学院生10名、学部生3名、その他3名。免疫四次元空間ダイナミクスに密接に関連する学術領域で先鋭的な研究を進めてこられ最近独立された長谷耕司先生を特別講演者としてお招きしましたので、長谷先生を加えて合計43名によるサマースクールとなりました。
開催場所としては、若手研究者を中心とする研究者集団が緊密な情報交換と集中的な交流を合宿形式で行うために適した「場」として、都市圏の喧噪から離れた場所を検討しました。新しいアイデアの創造には、日常生活から距離を置いた美しい自然環境での滞在が効果的だと考え、領域代表者の故郷を班員に紹介したいとの思いも加味して、今回は徳島県海陽町の宍喰温泉を選定しました。

サマースクールでは、長谷先生による特別講演のほか、直前に開催された班会議では発表しなかった若手研究者12名による発表討論、出席者のなかでは比較的シニアな班員4名が研究者としての歩みを紹介する特別講演、そして雄大な海岸線の散策や深夜に至る車座でのグループディスカッションや意見交換会を通して、2泊3日にわたる交流を重ねました。その様子は本号投稿記事やスナップ写真から窺っていただけると思います。
開催にあたって、領域代表者として強く留意したのは次の2点です。ひとつめは、安全第一ということです。たくさんの前途有望な若手研究者を非日常に連れて行くということですので、何よりも無事に帰宅いただくことの大事さを考えつつ運営した次第です。もうひとつは、参加者各位に他人のデータやアイデアに対して品位と節度をもって臨む(プライオリティを尊重する、決して盗用しない、会議後は口外しない)ことを要求しました。併せて、サマースクール参加者と研究グループの主宰者に対して、各研究グループの未発表成果やアイデアのうち「どこまで話してよいか、何を話しては差し支えるか」について事前に合意に至っておいてほしいと何度か繰り返しアナウンスしました。サマースクールを終えた今、少なくとも上記2点については大過なく開催できたのではないかと考えています。
サマースクールではまた、優れたサイエンスを発表し、プレゼンテーションの技術に長け、ディスカッションをリードした若手研究者3名に対してベストプレゼンテーション賞を授与しました。Wntの拡散について研究する三井優輔さん、セマフォリン分子群の構造機能相関について研究する松永幸子さん、腸内細菌によるアレルギー制御について研究する中島啓さんの3名です。これらの方々には、受賞の喜びを胸に歩み続ける期間、免疫四次元空間ダイナミクス領域の次世代を担う研究者として班の宝「免疫四次元空間班宝(はんぽう)」と称することを許可いたしました。おめでとうございました。

事後アンケートは、参加者43名のうち30名(70%)から回答がありました。詳細は下表のとおりですが、プログラム・ロケーション・運営・目的を含め、総合的にみても概ね良好な評価をいただきました。もちろんいくつかの点について「よくなかった」という評価がありました。とりわけ、会議室として使った和室や長いバス移動については、改善すべきとのご意見が多数ありました。一方、回答者全員から次回も開催したほうがよいとの意見をいただきました。課題については是非次回のサマースクールにて改善したいと思います。次回開催地としては、夏シーズンに東北地方で、という意見が一番多数でした。被災地支援の観点もあると考えられ、前向きに検討いたします。

アンケート結果  

以上、第1回サマースクールを無事に終えることができたことを感謝とともにご報告申し上げます。今後とも新学術領域研究「免疫四次元空間ダイナミクス」の活動にご支援ご協力いただけますよう、またお気づきの点があればご教示ご指導いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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第2回班会議&第1回サマースクールの感想 (e02)

松永 幸子(大阪大学蛋白質研究所・分子創製学研究室)

我々の研究室は本新学術領域の中で唯一の構造生物学分野です。免疫や発生はもちろんのこと、生体組織/細胞をほとんど扱ったことがない我々が、どれほど内容を理解できるのか…。そのような不安を胸に、研究室での勉強会で予習した免疫学の知識を携えて、京都にやってきました。班会議に出席し、ある現象や疾患、臨床における問題点と結びつけて解り易く説明してくださる先生方のおかげで、なんとか各班の研究テーマを学ぶことができました。同時に、私がまだまだ勉強不足の部分を把握することもできました。これらは今後の勉強会の課題にします。
班会議に引き続き開催されたサマースクールでは各課題班の研究内容を理解していることが前提の発表が多く、先に班会議で学んでおいて良かった…と心底思いました。また、私にとって若手研究発表とは異分野の方々に少しでも我々を知ってもらうチャンスでもありました。蛋白質の構造−機能相関に興味を持ってくださる先生方が多くいらっしゃり、たくさんの方とディスカッションできたことを本当に嬉しく思います。本サマースクールでもっとも印象深かったことは、教授の先生方が率先して若手研究者との垣根が低くなるように接してくださったことです。若手研究発表会における厳しくも親切な質疑や、夕食時の班員特別講演会でのユーモアに富んだ発表内容、夜の意見交換会での気さくな討論、グループディスカッションでの共同作業からもまた学ぶことが多くありました。このような合宿勉強会を通じて、新しい交流や共同研究が発展していくのだろうと感じ、貴重な体験をさせていただきました。
最後になりましたが、この度は、ベストプレゼンテーション賞をいただき、ありがとうございました。今回の私の発表はただの問題提議に過ぎませんでしたので、「班宝」と呼ばれるには全く相応しくありません。今後は、実験データが私を後押ししてくれるよう、日々、研究に邁進していきたいと思います。

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第1回サマースクールに参加して (e03)

野津 智尋(東京理科大学 薬学部 生命創薬科学科)

徳島県宍喰で行われたサマースクールに、この学術領域の活動として初めて参加させて頂きました。日常とかけ離れた大自然の中でどのような体験ができるのだろうとわくわくしながら、遊び半分の軽い気持ちで参加してしまったのですが、会話から垣間見える班員の方々の研究意欲の高さに初めから圧倒されました。講演に関しましては、自分の知識が乏しいために理解が追いつかない部分もあり勉強不足であることを実感いたしましたが、どの班員の方のお話も非常に興味深く、とても勉強になりました。また、このような機会でないと交流できない有名な先生方や研究者の方々と世代も関係なくお話できたこともとても刺激となり、私にとって良い経験ができたと嬉しく思っております。今後さらに知識や技術を学んでこの領域に貢献できるように研究をしていきたいと思います。そして今回このような貴重な場を設けていただき本当に感謝しております。ありがとうございました。

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サマースクールに参加して (e04)

佐々木 尚子(大阪大学大学院医学系研究科)

サマースクールでは、大変貴重な経験をさせていただきありがとうございました。非常に有意義な時間を過ごせたこと、そして何より多くの研究者の方々に出会えたことに大変満足しています。
長谷先生のご講演は、基礎の部分から詳しく話して下さったので、非常にわかりやすく、興味深いものでした。これまで混乱して理解していた腸管免疫を、頭の中で整理することができました。若手研究者の発表でも、自分とは異なる技術を使った実験から様々な情報を得ることができました。研究室にいると、自分の研究に関連する情報ばかりを収集しがちになるので、研究を実り多いものにするためのいい勉強になったと思います。また、班員の先生方の特別講演では、普段聞くことのできない研究者としての道のりや、研究に対する考え方などを聞くことができ、自分の研究者としての今後を考えていく上で、非常に参考になりました。
バックグラウンドの異なる参加者同士の交流は、これからの研究の励みにもなりました。三日間のサマースクールでは、研究発表や講演にも増して参加者の方々との出会いや交流の持つ意義は大きいと思います。これを機に、サマースクールで出会った方々との交流を続けていきたいです。

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「免疫四次元空間ダイナミクス」第2回班会議と第1回サマースクールに参加して (e05)

田中 芳彦(九州大学生体防御医学研究所)

公募班員の九州大学生体防御医学研究所 田中芳彦と申します。京都大学芝蘭会館で開催された第2回班会議に参加しました。はじめに領域代表の高濱先生から本学術領域の意義と方向性についてしっかりとした指針を示していただき、この班がめざすべきところについて再確認いたしました。その後、ストローマ細胞の機能に着目し免疫系の謎を解き明かすために集結したトップランナーの先生たちの最新の成果と今後の計画に関する発表がなされ、緊張感に満ちた活発な討論が行われました。私自身は身の引き締まる思いとともに、この研究班に参加できる喜びを改めて感じました。引き続きご指導よろしくお願い申し上げます。
第1回サマースクールに研究室のメンバーとともに参加させていただきました。開催地となった徳島の宍喰は自然に恵まれたとても美しい海辺の町で、都会の喧噪から完全に隔絶された環境でのサマースクールとなりました。合宿形式でシニアから若手の研究者が寝食を共にし、サイエンスの活発な討論に没頭できるように趣向が凝らされた夢のようなサマースクールでした。研究分野や年代を越えて様々な研究者と密接に交流できたことは、参加者全員が共有できた財産であったと思います。班会議ならびにサマースクールをお世話してくださった領域代表の高濱先生をはじめとするスタッフの方々にこの場を借りてお礼申し上げます。

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サマースクールに参加して (e06)

佐々木 元(北海道大学遺伝子病制御研究所 免疫生物分野)

今回はじめて、サマースクールに参加させていただきました。班員特別講演、招待講演、若手研究者発表会、屋外でのグループ討論さらに510号室での意見交換会など盛りだくさんで楽しくかつ刺激的な会でした。免疫4次元空間ダイナミクスという同じ班に所属しながらも、実は異分野の研究者の集団であり、有機的なつながりをもち、互いの理解を深めるためにも、このような機会は必須であると感じました。都会から遠く離れた自然の中で、学ぶという領域代表のお言葉に感銘をうけ、納得して北海道に帰りました。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。まだまだ知識が足りていませんがこれからも努力していきたいです。大変に有意義な初徳島であったと思っております。

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班会議 感想文 (e07)

近藤 博之(徳島大学医科学教育部修士1年生)

今年度から、高浜研究室に配属しました徳島大学医科学教育部修士1年生 近藤博之です。今回の班会議/サマースクールでは、研究室に入ったのが今年からなので、運営スタッフとして参加させていただきました。学部時代の卒業研究の内容が、分子シャペロンに関わることであり、免疫については素人でしたが高浜研究室に来て、現在は免疫学の知識をつけながらT細胞の成熟に関わる胸腺上皮細胞について研究にいそしんでいます。班会議・サマースクールというようなものに参加することが初めて、どのようなものなんだろうと思いましたが、すごく有意義な時間が過ごせました。班会議では、先生達の研究内容を拝見し、やっぱり免疫学は奥が深くて面白いなと思い、サマースクールでは、自然が多い徳島県の宍喰にいき、そこでの班会議とは違った雰囲気での若手の先生達の発表も、非常に面白い内容でした。サマースクールの方の発表では、修士2年生の先輩や同学年の学生が発表していて、来年は自分もこの場で発表できるように頑張っていきたいです。

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第二回班会議ならびに第一回サマースクールに参加して (e08)

高田 健介(徳島大学疾患プロテオゲノム研究センター)

京都大学芝蘭会館で行なわれた第二回班会議には公募班員として参加しました。一人当たり15分という短い持ち時間、休憩をはさまずに2時間半というセッションもあり、一見かなりの強行日程のように思えましたが、自分の興味に関連する内容が豊富で、集中力をきらすことなく勉強することができました。班会議というものに参加するのは今回が初めてでしたが、一見厳しいやりとりの中にも、この新学術領域を皆で成功させようという思いが伝わってきて、通常の学会などにはない会場の一体感は新鮮でした。雰囲気に飲まれて発言できませんでしたが、次回からがんばります。2日目の午後からは徳島県宍喰に場所を移し、第一回サマースクールが開催されました。こちらは若手を主な対象とした会であり、私が高浜研のメンバーということもあって、裏方スタッフとして企画の段階から関わるチャンスに恵まれました。美しい砂浜が広がる宍喰は個人的にも大好きな場所で、県外の皆さんをご案内できたことには感慨深いものがありました。都会から遠く離れて寝食をともにするうち、始めはよそよそしかった若手参加者が次第にほぐれて、最終日にはかなり活発な意見交流がされていたと思います。台風による高波で企画のいくつかが予定どおりに進まないなどのハプニングもありましたが、何とか無事に終える事ができてほっとしています。ご協力頂いた方々にお礼申し上げます。

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第1回サマースクールに参加して (e09)

春若 航一路(九州大学)

この度、第1回サマースクールに参加させて頂きました、九州大学の春若航一路と申します。私は今年の4月に修士課程に入学し、飛び込んで間もないこの世界で、まだまだ右も左もわかりません。この段階で、班員の皆さんの研究内容やディスカッション、研究に対する意気を直に聞けたことは、私にとって本当に良い刺激となり、有意義な時間を過ごすことができました。夜遅くまで続いた510号室での意見交流会は、私にとってこの夏一番の刺激でした。同志あるいは将来のライバルとなる同世代が頑張っている姿を知れたこと、そしてトップランナーの先生方も同じように若く一所懸命な時を経て今に至っていると気付けたことは、これからの研究生活に対する大きなモチベーションにつながりました。広大な太平洋を望みながら…というシチュエーションも、日々の閉じこもりがちな空間から距離を置いて客観視できる良い機会でした。
次世代の研究を切り開いていく上で私が重要だと感じているのは、研究交流の「場」が独創的な個人の力を連携させ、班員同士が連帯感を持つことです。様々な専門分野の研究者で成り立つこの領域にとって、今回の班会議・サマースクールがとても良い「場」であったことは、きっと参加した誰もが感じられていることと思います。
今回私は発表会での研究報告はできませんでしたが、班員のみなさんと連携しながらこの研究領域に貢献し、疾患克服のための社会的使命を果たせる研究者を目指して努力していきたいと思います。これからもたくさんのことを学ばせて頂きたく思います。よろしくお願い致します。

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免疫四次元空間 第一回サマースクールに参加して (e10)

三井 優輔(基礎生物学研究所)

徳島県海陽町宍喰で開催された、第一回サマースクールに参加いたしました。京都での班会議から場所を移し、南国的な雰囲気のある宍喰に移動することで、気分も新たにすることができました。私は隣の香川県の出身なので四国はなじみの場所ではありますが、宍喰の海は瀬戸内とは全く違い、水平線が見えるし波も荒く、新鮮に感じました。
サマースクールでは若手の発表ということで私もWntの拡散についてお話させていただきました。Wntは濃度勾配により位置情報を与える物質「モルフォゲン」の実例として発生学の分野では盛んに研究されておりますが、胸腺で発現していることもあり、免疫学の研究者の方も一定の関心をお持ちなのではないかと思います。これまでに遺伝学的解析や発生学的解析により、Wntのシグナル伝達系や標的遺伝子はかなりの部分が同定されてきたと言えますが、モルフォゲンとしての性質を考えるうえで重要なWnt蛋白質の動態についての知見はまだまだ不足していると言わざるを得ません。今回はWntの動態を解析するモデル系としてアフリカツメガエルでの実験についてお話しましたが、得られた知見の中にはケモカイン、サイトカインなどの他の分泌因子の働きを理解するうえでも共通する部分があるのではないかと考えております。多くの方にあまりなじみの無い話になってしまい、どのくらい伝えられたか心配しておりましたが、今回ベストプレゼンテーション賞を頂いたことは大変励みになると共に、身の引き締まる思いがいたします。
今回のサマースクールは私にとって良い経験になったので、第2回のサマースクールが開催されれば、また参加できればと思います。

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第2回班会議、第1回サマースクールに参加して (e11)

外丸 詩野(北海道大学大学院医学研究科 分子病理学分野)

京都での第2回班会議と、引き続き徳島の宍喰温泉で行われました第1回サマースクールに参加させて頂きました。会を通して、皆様と情報を共有することで「免疫四次元空間ダイナミクス」という新学術領域の目指す研究が良く理解できましたし、大変勉強になりました。私は胸腺上皮細胞等の免疫ストローマにおけるプロテアソームの発現がT細胞選択や機能に与える影響に関して研究を進めておりますが、会ではいろいろな専門の先生のお話をお伺いすることができ、研究を進める上での貴重なアイデアやアドバイスを頂きました。この場をお借りして御礼申し上げたいと存じます。ありがとうございました。
サマースクールでは徳島の南の海岸まで遠征することになりましたが、宍喰温泉の名前は初めて聞きましたので、気温の高さも含め、正直なところ参加する前は少し不安な気持ちでした。しかし、合宿のように寝食を共にする中で、参加者の皆様と打ち解け、連帯感が生まれましたし、それぞれ専門分野は違えども、大先輩の先生から若手の先生まで、皆同じ方向を目指して研究をしているメンバーが集結したという感で、充実感があり、参加して本当に楽しかったです。先輩の先生方のこれまでの研究者としての歩みについてお話をお伺いできたことも、大変勉強になりました。他の会ではお伺いできないような、とても貴重なお話でした。
暑い京都、徳島でしたが、それ以上に熱いディスカッションが展開し、密度の濃い充実した4日間でした。今後もサマースクールが開催されましたら、リピーターとして是非参加したいと思っております。次の会までに、班研究に少しでも貢献できるよう、何らかの結果を出せるように継続的に努力したいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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第二回領域班会議と第一回サマースクールに参加して (e12)

増田 喬子(京都大学)

京都で行われた第二回領域班会議,引き続き徳島に場所を移してのサマースクールに総括班員である河本先生のラボの一員として参加させていただきました.班会議はそれぞれの先生方が最新のデータでアクティブに議論されており,時に出る厳しいコメントも含めて全てがよい勉強となりました.新学術領域はお互いのマテリアルやプロトコルの共有も推進しており,私達のラボからも班会議のほんの数週間前に班員の先生に細胞を供与しました.その細胞を使ったデータを班会議で発表していらっしゃるのを見て,その迅速さに驚くと共にとてもうれしく思いました.今後も色々な形で領域の班員の先生と協力し合っていければと思います.
サマースクールが開催された徳島・宍喰までは京都から遠く,道中では「なぜ宍喰まで行くのだろう」と思っていましたが,実際に到着してみると「あえて日常から切り離された開放的な空間で開催することに意味がある」と実感しました.会場も普段の会議室とは全く違い,座敷にローテーブルというまるで寺子屋のようなスタイルが新鮮に感じました.夕食をとりながらの特別講演はシニアの先生方の研究の歴史を聞くことができ,興味深いものでした.学会のシンポジウムなどでは決して聞くことができない話を聞くことができるというのはサマースクールのような会の醍醐味だと思います.また全体的にリラックスした感じで,野外でのグループディスカッションなどでは普通では声をかけづらい先生方との距離が近いように感じられたこともうれしかったです.
全体を通して4日間というすこし長いミーティングでしたが,とても内容の濃い4日間でした.次回もぜひ参加させていただきたいと思います.

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「免疫四次元空間ダイナミクス」 第一回サマースクールに参加して (e13)

戸村 道夫(京都大学医学研究科)

京都で行われた班会議に引き続き、高知県の県境に近い徳島県の宍喰温泉で行われたサマースクールに中堅スタッフとして参加した。5時間越えのバス移動には、遠いなあ、との感覚もあるが、私にとっては楽しい時間であった。
若手発表のセッションでは私も座長を務めさせて頂いたが、専門分野の異なる研究者にも理解出来、発表も堂々としていて良かった。私は細胞・個体レベルから免疫系を理解するという視点から研究を進めているが、同じ生命現象でも視点が異なれば見えるものは当然全く異なる。タンパク質は物質であるが、その物質の動的な構造変化、細胞内外での挙動が、細胞・生命個体を支える原点・基本であることを実感できた発表を聞けた貴重な機会であった。そして、交流会において、自分たちの研究を、「生命を理解する」ことに結びつけるために自分たちの分野が現在の直面している課題と将来の可能性を語ることが出来たことも素晴らしい時間であった。同じ場所で寝食を共にするサマースクールだからこそ可能なことなのだと思う。
招待講演の長谷先生の腸管免疫のお話しは、私自身の知識を最新版にupdateできた良い機会であった。若手にとっても、人間の恒常性は腸内細菌と共生することで保たれており、免疫系も例外ではない、ということを理解出来る良い機会だったのではないかと思う。
私にとって特に印象深かったのは、シニアの4人の先生がたの特別講演であった。教科書の中の研究成果でなく、生きている人間が長い人生の中で一つ一つ研究を積み重ね、今の研究成果と地位を築いて来られたことを、お聞きできた。先生がたの人生談は、私たち中堅の研究者にとても元気を与えただけでなく、若手には研究に留まらずこれからの人生を将来に向けて如何に生きていくか、を考える、かけがえのない機会であったと思う。
日々の生活圏、都会の喧噪から離れて過ごしたサマースクールの記憶は、一ヶ月経った今でも鮮明に残っている。日常と全く異なる空間で行う密度の高い研究者の交流は、新規研究分野の開拓と推進に重要であると思う。今後の継続した開催を期待致します。

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サマースクールに参加して (e14)

中西 保貴(京都大学医学研究科AKプロジェクト戸村G)

この度は、宍喰という風光明媚な地で、貴重な経験をさせていただきまして誠にありがとうございました。
基礎研究に携わって日の浅い私にとって、講演など十分に内容が理解できない事は多々ありますが、今回のサマースクールでは、最先端で活躍されている先生方より様々な経験・研究成果を非常にわかりやすく解説いただき、非常にためになりました。また、参加された皆様の研究に対する強い情熱を感じ、刺激的な会でありました。
自身の研究発表(大腸炎回復期、Tregの所属リンパ節への移動)について、貴重なご意見を多々いただきましてありがとうございました。今後の研究にいかしていけるよう努力してまいります。
一外科医として培ってきた経験を、4次元イメージングという手法とうまく融合させ、新たな知見が少しでも得られるよう日々精進してまいりたいと思います。
若輩者ではありますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

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第2回班会議ならびに第1回サマースクールに参加して (e15)

梅本 英司(大阪大学医学系研究科・免疫制御学)

京都での第2回班会議と、引き続き行われた徳島での第1回サマースクールに参加させていただきました。免疫細胞における場の理解という大きなテーマにいかに切り込んでいくか、白熱した議論のなかで、この新学術領域が目指す方向性を感じ取ることができたのが大きかったように思います。
サマースクールの場所は、最初どうして徳島県は宍戸温泉とも思いましたが、いざ実際に始まると「日常から切り離された空間」を共有することの意義を感じました。単に一緒に長時間を過ごすというだけでなく、お互いの発表に耳を傾け議論する過程を通じて、この新学術領域がカバーする「免疫系を構成する場」に対する共通の認識が生まれ、これを拠り所にできるような安心感が育てられた気がします。
発表に関しては、いずれも興味深かったのですが、議論が盛り上がってきたところで次に移ることも多く、特に学生さんが質問をひねり出すには発表と質疑応答の時間配分が今後の課題とも思いました。シニア4人の先生による特別講演を伺うことができたのも大変な刺激になりました。これまでどのようにサイエンスに向かい合ってこられたか、ターニングポイントも含めて包み隠さずオープンにしてくださり、私自身、心の奥に喝を入れられ、初心に立ち返らされたような気がします。私もこの免疫四次元空間の狭間でなんとか自分のニッチを見つけるべく、日々精進しなくては…と思う次第です。
最後になりましたが、非常に細かい点まで配慮して運営して下さった高濱先生と研究室の皆様(学生さんの気合いがよく伝わってきました)に深く感謝いたします。