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計画研究概要

免疫神経インターフェースにおけるシグナル授受の構造的基盤

大阪大学蛋白質研究所附属蛋白質解析先端研究センター 高木 淳一

「旅する細胞」である免疫細胞は、運動能を自ら制御しながらとどまるべきところを知り、そこから脱出するタイミングを知り、環境に影響を受けながら同時に影響を与えられ、それぞれの特定の機能を時空間的に正しく発揮することが出来るものである。しかも免疫細胞は、神経系の細胞と複雑に相互作用しながら運動能を自ら制御している。本研究ではそれらの素反応の実体を原子、分子レベルで解明するために、X線結晶構造解析と電子顕微鏡イメージングという分解能の異なる手法を併用し、蛋白質のスナップショットだけでなくその生理的なコンテキストにおける階層構造や、ダイナミックな性質を捉えることを目指す。具体的な対象としては(1)インテグリンを中心とした接着受容体の解析と、(2)セマフォリン・プレキシン系を中心とした細胞間シグナル授受メカニズムの解析、を2つの柱に、まずは単離精製した蛋白質および蛋白質複合体の構造解析から開始し、最終的には再構成系、細胞、あるいは組織における構造解析(in situ構造解析)を通した免疫-神経インターフェースの分子実体の解明を目指す。