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研究支援

 本領域研究を効率的かつ効果的に推進するため、構造生物学、発生生物学、免疫学、血液学など多様な学問背景の計画研究者は互いに、そして公募研究者を対象に、研究の視点と技術の共有を図る。この目的で、領域研究を担う研究者は定期的に集まり、新たに得られた成果と関連情報の交換、材料と技術の共有と必要に応じた講習、研究班として共同で取り組む研究視点の共有と確認、そして、共同研究の立案と推進を含む研究方針の調整を図る。

 異なる器官に横断的な「免疫空間」の解明には、多様な分野にまたがる研究者による連携研究体制が極めて重要と考える。そこで例えば、免疫空間で起こる細胞間相互作用の詳細な理解には、光学顕微鏡では不可能な微細構造の観察が必要であるため、電子顕微鏡イメージングによる免疫空間の高精細可視化について、高木淳一博士(計画研究者)らによる支援体制を構築する。加えて、共有が有用と考えられる次の4点については、それぞれエキスパート研究者に総括班に加わって頂き、研究の視点と技術の支援を仰ぐ。


【研究技術支援グループ】

  1. 免疫空間の生体内イメージング:リンパ器官を構成するストローマ細胞と血液系細胞の相互作用について時間軸を併せて解析するとともに、免疫の場を往来する血液系細胞をトレースするためには、生体内イメージング技術の活用は不可欠である。個々の研究室での試行錯誤は必要であるが、同時に当該技術の開発と運用に長けた石井優博士(総括班連携研究者)らの支援を受ける。
  2. 免疫空間の数理モデル解析:個々のリンパ器官の形成・機能と複数のリンパ器官の連携を伴う免疫空間について、恒常的意義を理解し老化や疾患による攪乱を理解・予測するために、数理モデルの活用は有用である。当該技術に通じた近藤滋博士(総括班連携研究者)らの支援を仰ぐ。
  3. 免疫空間の再構築のための組織工学技術:リンパ器官の人工的再構築を行うには、ストローマ細胞の機能を支持する組織工学技術の利用が必要である。人工臓器の開発とそのための組織工学技術の開発に長けた中村真人博士(総括班連携研究者)らの支援を受ける。
  4. 免疫系ヒト化マウスによるヒト免疫空間の解析:ヒトのリンパ器官とその構成細胞をはじめ、ヒト免疫システムの解析を進めるためには、免疫系ヒト化マウスの活用は有用である。当該技術に精通した石川文彦博士(計画研究連携研究者・総括班連携研究者)らの支援を仰ぐ。

これら計画研究者および総括班連携研究者による研究支援については、必要に応じて、研究班として講習会等を開催する。


【プロモーション支援事業】
 平成27年度、新学術領域研究「免疫四次元空間ダイナミクス」は研究開始から4年目を迎え、班員に対する研究支援をこれまで以上に充実させるべく、班員に向けた「プロモーション支援事業」を始動させた。この事業は、昇進等により他機関に異動する班員を主な対象に、班研究に有効活用される実験動物などの研究資材の移動に必要な経費などを支援する事業で、班員からの要望に基づいて、班研究へのメリットを総括班で審査のうえ支援する。