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オンラインニュースレター:2016年4月号

2016年4月号



シンポジウム “Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems” を開催して (e01)

石川 文彦(総括班員・計画研究班員、理化学研究所)

昨年7月、広島での総括班会議にて、高浜先生よりシンポジウム開催のご依頼を頂きました。私自身は、血液学を中心に研究をしているため、「免疫四次元空間」のシンポジウムとして、どれだけ良い会を企画・運営できるか不安もありましたが、お引き受けしました。
開催にあたって、最初に決めなくてはならないことは、どなたにご講演をご依頼するかでした。年度末の開催ですので、多忙な先生方にご連絡差し上げること自体が心苦しかったのですが、ご依頼した先生方全員が、講演のご依頼を快く引き受けてくださいました。免疫学に関係する新学術領域の連携の在り方や、免疫学研究の様々な面について、若手を交えて議論することの意義を大切なものと考えてくださったのであろうと想像し、有り難く思いました。その後の準備においては、試行錯誤の連続でしたが、これまで参加するばかりでしたシンポジウム・ワークショップも、見えないところで、運営される先生方ならびにその教室・ラボのスタッフの方々の、大変なご苦労の上にあることを、今さらながら気付き、あらためて感謝の念を抱きました。
当日は、予定を超える約100名の研究者が参加し、急遽、ほかの部屋からの椅子を会場に追加で入れるほどになりました。参加者の人数もさることながら、出席した方々同士の議論、ポスター発表に対する講演者のコメント、講演における演者から若手研究者へのメッセージなど、世代を超えた活発なやり取りに会場は熱気を帯びました。
海外からいらっしゃったお一人が、「会は素晴らしかった。それでも、良かった点、改善したほうがよい点の両者を書き留めておくとよい」と言葉をかけて、帰られました。反省すべき点は、ここには記載しませんが、良かったこととして、やはり、世代を超えて語り合う貴重な機会になったことは、確かに良かったものとして挙げられます。実際にシンポジウムを運営し終わって、今回の機会を設けていただきました領域長の高浜先生の思いに、改めて感じ入りました。
今回のニュースレターへの寄稿をもって、参加してくださった皆様に改めて感謝の言葉を述べる機会とさせていただきます。とりわけ、一緒にorganizeしていただきました石井先生、茂呂先生には、どのような会にすることで若手が刺激を受けるか、ポスターやtalkの間の時間をいかに世代間の交流に使うかなど、多くのアイディアを出していただいたおかげで盛会になったと感謝しています。
ポスター発表のためやaudienceとして参加してくれた若手研究者が、近い将来、今回のゲストスピーカーの先生方のように活躍する姿を思い浮かべながら、このニュースレターの筆を置きたいと思います。そして、彼らが学会やシンポジウムなどの場でspeakerとして発表する時、私も、応援を兼ねて、audienceのひとりとして参加したいものです。

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次世代シンポジウム「Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems」に参加して (e02)

金谷 高史(理化学研究所統合生命医科学研究センター(IMS))

去る3月2日、当研究班と理研IMS共催のシンポジウムに参加いたしました。石川先生、石井先生、茂呂先生による素晴らしいオーガナイズの結果、IMS内外から非常に多くの研究者の方々が集まりました。小さくはない会場でしたが部屋の隅までぎっちり人が入っていたことが印象的として残っています。国内外の十数名の研究者がシンポジストとして発表し、いずれのセクションも大変盛況であったと思います。特に若手の先生が発表する際は、将来自分がそういった機会を得たとき(そういった機会が得られれば良いのですが・・・)のシミュレーションも兼ねてじっくり観察させていただきました。そのせいか百戦錬磨の先生たちからの質問はいつもより厳しく感じた気がします。私は指導している学生とともにポスターセッションの方にも参加させていただきました。若手の先生が多かったためか、より現場に近いレベルで研究内容の討論することができ、私にとっては非常に有意義な機会となりました。私の所属するIMSでは随時セミナーが行われており、常に討論が活発に行われていますが、やはり外部の研究者を交えたシンポジウムはひと味もふた味も刺激的であると実感しました。最後になりますがオーガナイザーの石川先生、石井先生、茂呂先生およびIMSのスタッフの方々に深く御礼申し上げます。

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シンポジウム”Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems”に参加して (e03)

後藤 義幸(千葉大学真菌医学研究センター感染免疫学分野)

2016年3月2日に、横浜の理化学研究所にて本領域研究との共同開催でありますシンポジウム「Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems –これからの免疫学、免疫システムと環境、疾患、新技術との関わり-」に参加させていただきました。朝から晩まで最先端の研究発表が続き、極めて密度の濃い一日となりました。今回のシンポジウムの特徴として、比較的若い研究者が発表者となり、様々な分野の免疫学研究によって構成されていた事が挙げられます。まさに免疫四次元ダイナミクスという名の通り、多様な免疫学研究が一同に会し、個々の研究が独自性を保ちつつも有機的に繋がって新たな研究の展開が次々と生まれる現場を見る事ができ非常に感銘を受けました。また「宿主と環境因子」、「宿主内における免疫細胞同士」の相互作用や連携を通じて免疫システムの理解が進むと同時に、今後は各組織における免疫システムが一個体の中でどのように影響し合うかなど、さらなる研究の展開が期待されているように感じました。お昼の時間には、大学院生を中心としたポスター発表もあり、若手のPIの先生方と積極的に議論する姿や先生方の講演時に英語で質問し、議論を活性化する姿が強く印象に残りました。
個人的には研究室を立ち上げたばかりという事もあり、他の若手PIの先生方の背中を見ながら、独自性のある研究を行う必要性、新技術を自分の研究に効果的に融合させる術について考えさせられる一日となりました。再びこのような場に呼んでいただく事を目標に、真に良い研究を目指して日々精進してまいりたいと存じます。石川先生、石井先生、茂呂先生はじめ本シンポジウムを準備、運営いただきました先生方、研究室の皆様には心より感謝申し上げます。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

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シンポジウム「Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems」に参加して (e04)

川上 英良(理化学研究所 統合生命医科学研究センター)

この度、理研横浜キャンパスで行われた「免疫四次元空間ダイナミクス」のシンポジウムに参加させていただきました。声をかけていただいた石川文彦先生、また本稿の執筆の機会を与えてくださった領域長の高濱洋介先生にはこの場を借りて御礼申し上げます。免疫という数多くの細胞種、分子が関与する複雑な現象を、イメージングや最新の遺伝学的・分子生物学的手法を駆使して明らかにしようとされている諸先生方の発表には大変感銘を受けました。また、ポスター発表においては各所で熱気あふれる議論が繰り広げられており、刺激を受けました。
私は転写制御やシグナル伝達を始めとした生命現象をネットワークとして捉えて、重要な原因因子や制御メカニズムを明らかにする「ネットワークバイオロジー」いう研究を行っています。普段から、統合生命医科学研究センターで様々な先生方とコラボレーションさせていただいていますが、今回のシンポジウムの講演を聞いて、「多階層で時間的・空間的にダイナミックな現象として免疫を捉える」という方向性はネットワークバイオロジーと非常に相性がよいと感じました。近年、次世代シーケンサーや質量分析を始めとした多様なハイスループット測定手法が開発され、多くのデータが蓄積しつつあります。これらのデータを「時間的・空間的に」関連付け、ダイナミックなモデルを構築していくことで免疫現象の本質的な理解に繋がるのではないかと考えています。
今後も、機会がありましたらシンポジウムなどに参加させていただき、免疫に関して勉強させていただくと共に、先生方の質の高い実験研究に理論・解析面から新しい視点を僅かながら導入できれば大変嬉しく思います。

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四次元-IMS合同シンポジウムに参加して (e05)

小林 由佳(田附興風会医学研究所北野病院)

理研IMSで開催された“ Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems ”にポスタープレゼンテーションで参加をさせていただきました。5,6年ぶりの鶴見駅周辺の様子に少しばかり懐かしさを覚えながら理研横浜キャンパスを訪れました。今回のシンポジウムは、免疫学研究に携わる若い世代が集い、目標や成果を語り合う機会となるようにとの趣旨の通り、ポスターセッションでは和やかな雰囲気のなか、自由な討論が行われていたように感じました。わたくしも勉強不足でしたが、質問をしたり、教えを請うたりすることができ、限られた時間をとても有意義に過ごすと同時に今後に活かせる刺激を受けることが出来ました。オーラルプレゼンテーションでは先生方は大変わかりやすい講演をしてくださいました。私個人としては、stem cell nicheとcancerについて話されたProf. Andreas Trumppの講演に興味を惹かれ、stem cell nicheについての認識をアップデートすることが出来たように思います。
後ろ髪を引かれる帰路の新幹線車中において、シンポジウムを振り返った後に印象強く残ったキーワードは、” Work hard!! “ 茂呂先生が発せられたメッセージであったように思います。

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国際免疫学シンポジウム「5th Bizan Immunology Symposium “Immune System Development, Deviation, and Regulation”」の開催について (e06)

瑙 洋介(徳島大学)

三月の第一週、本新学術領域のシンポジウムがふたつ開催された。ひとつめは3月2日、理化学研究所統合生命医科学研究センターとの共催による、次世代シンポジウム「Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems」。理研横浜キャンパスで開催された。もうひとつは3月3日と4日、徳島大学革新的特色研究プロジェクト「免疫システム研究プログラム」との共催による、国際免疫学シンポジウム「5th Bizan Immunology Symposium “Immune System Development, Deviation, and Regulation”」。徳島大学蔵本キャンパスで開催された。いずれも多数の参加者があり、若手研究者を中心に活発な議論が繰り広げられた。ここでは以下、後者のシンポジウム(略称「眉山シンポ」)について、主催者の視点から簡単に報告したい。
わたしたちのいる四国には、5つの国立大学をはじめ、中小規模ながら特色ある研究機関がいくつも存在する。それらに所属する免疫学関連の研究室主宰者(現在18名)が世話人として「四国免疫フォーラム」という研究交流年次集会を運営している。今年で15年目になり、主なねらいは次世代を担う免疫学研究者を四国で育成し羽ばたかせることである。また徳島大学では、免疫学関連の研究室主宰者(現在9名)が「免疫システム研究プログラム」を形成しており、月1回の合同研究発表交流会(蔵本免疫懇話会)や年1回の合同リトリートを開催している。そこでも主眼は次世代研究者の育成・支援であり、その活動は今年で12年目を迎える。これらの活動の成果は意欲的な研究者達の輩出として、ゆっくりとではあるが着実に実を結びつつある。
こういった背景で、徳島大学の「免疫システム研究プログラム」は、大学の革新的特色研究プロジェクトのひとつとして支援を頂いており、その支援により国際シンポジウムを開催してきている。その第5回目となる今回の眉山シンポには、徳島のみならず四国を中心に約100名の参加者があった。招待演者としては、海外からGraham Anderson博士(英国)、Christoph Klein博士(ドイツ)、Masahiro Ono博士(英国)、国内から黒崎知博博士(大阪大)、大野博司博士(理研)、門脇則光博士(香川大)、深田俊幸博士(徳島文理大)、植松智博士(千葉大)、前川洋一博士(岐阜大)、濱崎洋子博士(京大、本領域研究者)の参加があり、多様なテーマでそれぞれ良質な講演がなされた。また、若手を中心とする学内外の研究者12名による発表があり、院生諸君を含む若手研究者と招待演者らとの交流促進を主目的とする食事会が開催された。スナップ写真からうかがうことができるとおり、質疑を含む議論が活発になされ、ベテランから新人にわたる多層の交流がなされた。学術的に豊かな二日間であった。
シンポジウムの名として冠されている眉山は、「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山かけて榜ぐ舟泊知らずも」と万葉集に詠まれた、徳島市(阿波国)を象徴する山、というより丘で、どこから眺めても穏やかな眉のかたちにみえる。私自身も、遠方から帰ってきたときにやさしい姿の眉山をみると安堵し、帰宅を実感する。次世代研究者育成、その成果は一日のうちに現れるものではない。しかし、成果を信頼して若手諸君をプロデュースする活動を継続することこそ、成果具現化に向けた唯一の道である。今回のシンポジウムもまた、眉山の名を冠していることにふさわしく、やさしく穏やかでしかも存在感のある、優れた次世代研究者の輩出につながっていくことを期待している。

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眉山免疫シンポジウム (e07)

安友 康二(徳島大学医歯薬学研究部・生体防御医学分野)

私は「免疫四次元空間」の新学術領域には関与しておりませんが、高浜先生から2016年3月3日、4日に徳島大学で開催された眉山免疫シンポジウムに関して、一言書いてくださいという依頼がありましたので、寄稿させていただいております。まずはじめに、本シンポジウムの開催にあたり、免疫四次元の研究班に共催を頂いたことを御礼申し上げます。眉山国際シンポジウムは、徳島大学の免疫学者で構成しているIPUT (Immunology Program at University of Tokushima)という組織が主たる母体となり開催している国際シンポジウムで、今年が5回目の開催でした。徳島大学では、革新的特色研究プロジェクトとして数種類の研究領域が選抜されて支援を受けており、IPUTによる免疫学研究はその内の一つに選ばれています。この徳島大学からの免疫学研究に対する支援を主たる基盤として眉山免疫シンポジウムを開催してきました。眉山免疫シンポジウムでは、特に研究領域の制限を設けておらず、今年は、海外からChristoph Klein博士とGraham Anderson博士と小野昌弘博士を、国内からは、黒崎知博先生、大野博司先生、門脇則光先生、深田俊幸先生、前川洋一先生、植松智先生、濱崎洋子先生を招聘し、免疫細胞の分化から免疫疾患のゲノム解析まで幅広い領域での活発な議論がなされました。また、本シンポジウムでは著明な免疫学者による講演会だけではなく、招聘研究者一人に数人の若手研究者・学生がランチテーブルを共にする企画、若手研究者のshort talkなどを設け、若手の免疫研究者の育成にもつとめています。まだ本シンポジウムの知名度は高くないかもしれませんが、実績を重ねて全国から参加していただけるような免疫シンポジウムへと発展させていきたいと考えています。徳島は少々交通の不便な土地柄でもありますが、免疫四次元空間の班員の方には、来年度の開催の際には是非とも若手研究者の方のご参加を奨励していただければ幸いです。

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免疫四次元次世代シンポジウム(理研)と眉山国際免疫シンポジウム(徳島大学)に参加して (e08)

濱崎 洋子(京都大学大学院 医学研究科 免疫細胞生物学)

本領域との共催によって開かれた「次世代シンポジウム “Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems” 」(理研IMS) 、続いて「第5回眉山国際免疫シンポジウム“Immune System Development, Deviation, and Regulation”」(徳島大学)に、シンポジストとして参加させて頂きました。
前者は、本領域の中でも“比較的若手”が独自にオーガナイズし、学生、ポスドクなど“より若い世代”にメッセージを送る、という主旨のもと、理研の石川文彦先生が中心になってプログラムが組まれました。最近数多くのシンポジウムがある中で、この会は明らかにユニークであったように思います。まず、この“比較的若手”年代の、これほど広い分野の先生方が1か所に集うシンポジウムはこれまであまり経験がありませんでした。それでも、シンポジストの各先生方はさすがに心得たもので、発表もデータの細部ではなくよい意味で大きな話をして頂き、どの分野の研究者にとってもthought-provokingな内容であったと思います。また、これからはこれが面白いと思う、こんな苦労があった、というようなメッセージ性が多分に含まれており、各先生の個性も大いに楽しむことができました。例えば、良い発見をするために若い人に何かメッセージを?との会場からの問いに対し、オーガナイザーの一人である茂呂先生の“Work Hard!”という一言は、まさにご自身の経験からとっさに出た率直な言葉だったのではないかと思います。石川先生の軽やかな司会、こんな質問が出るいい意味での緩さ、小安先生や大野先生なども足を運んで質問を飛ばしてくださることでよい重みも加わり、満員御礼となった会場は絶妙なバランスのもと大いに有意義な場になったと感じます。
今回私共の研究室からは、伊藤健、加藤愛子、2名の大学院生が旅費のサポートを頂き、ポスターを持って参加させていただきました。両名とも、学会を飛び歩くよりも自分のオリジナルな分野を切り開くべく日々必死にベンチに向かうことを好む頼もしい“より若い世代”ですが、こういうユニークな会ならば無理やりにでも連れだそうと考えた私の思惑は、結果として大正解でした。血液内科医である彼らは、石川先生が選ばれたシンポジストの発表にも大いに刺激を受けた様子で、私が翌日徳島へ行くため彼らと鶴見駅で別れる際に、また帰って頑張ります!と颯爽と京都に戻る姿をみて、ああよかった、と心から嬉しくなりました。
翌朝、苦手な早起きをして羽田から徳島へと向かいましたが、移動の度に何かドジをやってしまう私が今回は順調だなと思ったのもつかの間、徳島市街へ向かうバスの中で地図を開いたものの、これから向かう会場を見つけられずにいました。困ったなあ、まさかの乗るバス間違えていないよね、と思いながらバスの中で高濱先生にメールを打ったところ、即座に「ようこそ!」との歓迎の言葉とともに場所の詳細を記した返信を頂きました。徳島は、私が免疫学の分野に入って初めて英語でプレゼンする機会を、高濱先生がオーガナイズされた胸腺関連の会で与えて頂いた思い出の地です。この地の空気を吸うたびに、正直阿波踊り見物どころではなかったあの頃のいっぱいいっぱいの心境を思い出します。あの頃よりは少しは自分も成長したのだろうかというモヤモヤした気持ちを、「ようこそ!」の一言が振り払って下さいました。無事会場に到着すると徳島大学のオーガナイザーの先生方が温かく迎えて下さり、一方で会の最初に副学長の先生のご挨拶があるなど、良い意味で重厚さと緊張感があり、大学を挙げてシンポジウムを支援し成功させようという姿勢を強く感じました。近隣大学で最近独立された門脇則光先生や深田俊之先生などもシンポジストとして参加されており、そうした地域ぐるみの構成も、「ようこそ」感があふれていてすばらしいと感じました。徳島大学の若い学生さんが一生懸命発表する姿も、大学が積極的に人を育てようとしている大きな器が垣間見え、私も一大学人として大いに感化されました。また、胸腺研究の第一人者の一人で最近初めてco-authorとして一緒に仕事をさせて頂いた、イギリスのGraham Anderson博士もシンポジストとして来日されており、自身の研究に関する議論と親交を深めるのにも、大変よい機会となりました。
出不精の私としては珍しく移動を含めて計4日間、この領域が共催する、個性あふれるシンポジウムに参加させて頂き、本領域の広がりと懐の広さ、対象軸の多さを感じ、まさに四次元空間を旅してきた気持ちで京都に戻ってまいりました。このような機会を与えていただいた領域長の高濱先生、およびオーガナイザーの先生方に、この場をお借りして深謝致します。どうもありがとうございました。

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早春眉山の麓で展開した白熱の議論:The Fifth Bizan Immunology Symposium (e09)

深田 俊幸(徳島文理大学薬学部 病態分子薬理学研究室)

昨年4月に徳島文理大学薬学部の教授に赴任し、徳島市に住民票を移して間もなく徳島大学の高浜洋介先生からご連絡を頂きました。山海の美味とともに徳島の魅力を紹介され、私は徳島の銘酒を堪能しながら、自身の研究内容について自己紹介も兼ねて言及したことを覚えております。
私の研究はサイトカインの情報伝達に起因しますが、前職の理化学研究所統合生命医科学研究センター(旧免疫アレルギー科学研究センター)では亜鉛トランスポーターを介する亜鉛イオンの情報伝達因子としての働き(亜鉛シグナル)について網羅的に解析しており、現在はその恒常性維持や病態形成における分子メカニズムの解明を研究しています。免疫は恒常性を統御する重要な生命現象であり、もちろん亜鉛シグナルの解析対象の一つではありますが、亜鉛シグナルの統合的な理解は一つの事象だけを対象にしては達成できないという思いも強くなっています。そのような折、夏の初めに高浜先生から再びご連絡を頂戴し、平成28年3月に徳島大学で開催される“The Fifth Bizan Immunology Symposium at University of Tokushima (BISUT5)”のご招待を頂きました。「免疫学のシャワーをもう一度浴びて、日ごろ考えていることを免疫のエキスパートに思いっきりぶつけてみよう。」と決心し、講演依頼を拝受しました。
BISUT5は胸腺の発生・免疫制御・臨床免疫・腸管免疫・免疫の恒常性機構・腫瘍免疫のセッションで構成され、主に海外招待者とラボを運営しているシニアおよび中堅クラスの研究者が講演し、多くの若手研究者にも日頃の研究内容を発表する機会が与えられていました。理化学研究所に籍を置いている時に懇意となった先生も多く見受けられ、久々の再会に昔話も大いに開花しました。特に、卒業大学の同窓でもある濱崎洋子先生の胸腺分化に関する内容は、今後の加齢医学と再生医療への多角的な展開の可能性を示唆するものあり、大きな興奮を覚えました。また、宴席や昼食会では分け隔てなく懇談できるような配慮が随所に見受けられ、私は隣席した多くの先生や学生と大いに意見交換できたのは、数多あるBISUT5参加の収穫の一つでした。
BISUTの明確な目的と目標にも感銘を受けました。それは“免疫研究の雄たる徳島で世界レベルの活動を展開し、忌憚なく交流してその成果を四国の研究者で共有し、次世代を担う若者を徳島で育成する”と私は理解しています。BISUT5への参加によって、免疫学の最新情報の獲得と亜鉛シグナル研究の新規性のアピールだけではなく、多くの新たな出会いを経験しました。「異分野交流が新しい価値を生み出す」を信条とする私にとってはこの上ない喜びであり、本紙面をお借りして、BISUT5参加の機会を頂きましたことに心から感謝の意を表します。
眉山は文字通り眉の形に似て穏やかな表情を麓に映しますが、その表情は移ろいに富み、いざ登ってみるとかなりの厳しさを露呈します。ダイナミックな免疫の営みを模倣する眉山を冠するBISUTは、四国のみならず西日本における免疫コミュニティーのシンボルであり、BISUTの益々のご発展を謹んでここに祈念申し上げます。

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第5回眉山国際免疫シンポジウムに参加して (e10)

森本 純子(徳島大学 先端酵素学研究所)

3月3日から4日にかけて第5回眉山国際免疫シンポジウムが徳島大学で開催されました。北海道大学・遺伝子病制御研究所より徳島大学・疾患酵素学研究センターに赴任してから、眉山国際免疫シンポジウムには2回目の参加となりました。徳島大学に赴任してからは胸腺髄質上皮細胞における転写因子Aireの機能を解析することになり、これまでは主に腫瘍免疫や感染免疫の領域において末梢でのT細胞応答解析が研究テーマであった私にとっては、末梢性寛容から中枢性寛容へ、そしてT細胞解析からストローマ細胞解析へと大きな方向転換となりました。特に腫瘍抗原の多くは自己抗原でもある為に、腫瘍免疫側からの考え方と自己免疫側からのそれとは、諸刃の剣であることを実感しています。
昨年は参加のみでしたが、今回のシンポジウムでは『Thymus development』のセッションで発表する機会を得ることができました。また胸腺の分野において第一線で活躍されている先生方より様々なご指摘およびご指導をいただくことができ大変勉強になりました。眉山国際免疫シンポジウムでは、ゲストスピーカーの先生方との交流を深めるために昼食会や夕食会が催されますが、アットホームな雰囲気も相まってアカデミックな話はもちろんのこと、アカデミック以外の会話も盛り上がり楽しい時間を過ごすことができました。今回のシンポジウムで得た様々な情報や知識を活かし、これからも日々研究に取り組んでいきたいと思っています。

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第5回眉山国際免疫シンポジウムに参加して (e11)

工藤 保誠(徳島大学大学院医歯薬学研究部)

この度、「免疫四次元空間ダイナミクス」と徳島大学革新的特色プロジェクト「免疫システム研究プログラム」の共催として開催された「第5回眉山国際免疫シンポジウム」に参加させていただきました。今回のシンポジウムは、徳島大学蔵本キャンパスの日亜メディカルホールで、平成28年3月3〜4日の2日間にわたって開催されました。シンポジウムは、外国からはDr. Graham Anderson(University of Birmingham)とDr. Christoph Klein(University of Munich)とDr. Masahiro Ono (Imperial Colledge London)が、日本からはDr. Yoko Hamazaki(京都大学)、Dr. Tomohiro Kurosaki (大阪大学)、Dr. Yoichi Maekawa (岐阜大学)、Dr. Hiroshi Ohno (理研)、Dr. Satoshi Uematsu (千葉大学)、Dr. Toshiyuki Fukada (徳島文理大学)、Dr. Norimitsu Kadowaki (香川大学) がゲストスピーカーとして参加されました。私自身は、免疫学の研究者ではないのですが、シンポジウムに参加し、勉強させていただきました。2日間にわたるシンポジウムですが、白熱したディスカッションがあり、特に目に付いたのが、若い研究者が積極的に議論に参加していたことです。徳島市内において開催された夕食会でも大変盛り上がり、有意義な時間を過ごすことが出来ました。研究におけるコミュニケーションとして、パーソナリティーをお互いに知ることも今後の共同研究の発展に必要だと思いました。2日間を通して、第一線で御活躍されている先生方の講演を聞くことができ、大変刺激を受けました。最後に、執筆の機会を与えていただきました高浜先生をはじめ、シンポジウムのオーガナイザーの先生に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

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第5回眉山免疫シンポジウムに参加して (e12)

山下 ありさ(医薬品病態生化学分野 博士課程2年)

私が眉山免疫シンポジウムに参加させていただくのはこれが3回目です。ちなみに、国際学会に参加したのも、生の英語をこれほど聞くのも3回目。私にとってこのシンポジウムは色々な意味で非常に貴重な機会でもあります。
毎回一番思うのはもっと英語力つけたい、ということです。眉山シンポジウムでは毎年著名な方々のお話を聞くことができました。スピーカーの方々の話をもっと理解したい、コミュニケーションが取れるようになりたい、といつも思っていました。「来年こそは!」、と1年が過ぎ、「撃沈する」、の繰り返しでしたが、このシンポジウムが私の研究・英会話の1つのモチベーション兼ペースメーカーになっていました。皆さんを目標に、流暢な英語でわかりやすく発表や会話ができるようこれからも頑張っていきたいと思います。
2日目に私はマイク係を担当させていただきましたが、バタバタしてしまって申し訳ありません。思いかえせば初めて参加した時のタイムキーパーでも、ベルを上手く鳴らすことができなかったりして懺悔した記憶があります。こういったお仕事をさせていただいたのもこのシンポジウムが初めてでした。大変勉強になりました。お手伝い係としても、もっと精進していきたいと思います。
最後になりましたが、参加させていただき本当にありがとうございました。

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5th Bizan Symposiumに参加して (e13)

増田 喬子(京都大学 再生医科学研究所)

すでに5回目となる本シンポジウムであるが、私は3年連続で参加させていただきました。京都からも近く、国内外から著名な研究者のお話を集中して聞くことができる貴重な機会の一つになっています。若手にとっては、シンポジウムとは第一線で活躍する研究者の話を聞いて勉強する場であるという認識が強いように思います。ですが、本会は徳島大学の若手研究者を中心に、若手にも発表の機会が与えられるシンポジウムで、珍しいスタイルではないかと思います。また、懇親会でも2日目の昼食会でも、その席順やグループ分けによって、学外の研究者と密接に交流する機会も設けられています。これが毎年恒例となっているので、若手にとっては緊張感もあるけれども非常に良い機会になっているのではないかという印象を受けました。
本シンポジウムは、今年は珥_先生が代表を務められている新学術領域「免疫4次元空間ダイナミクス」との共催とのことでした。そのため、胸腺上皮細胞研究の専門家としてAnderson博士(バーミンガム大学)と濱崎博士(京都大学)が学外からの招待されていました。胸腺はT細胞の成熟の場ですが、その成熟を促す胸腺上皮細胞自身はどのように発生・分化するのかという疑問に対し、珥_領域長や両博士を含む複数のグループの研究成果によって、近年大きく理解が進みました。その最先端のお話を聞く機会が得られ、大変嬉しく思いました。その他、免疫学の様々な分野についてのテーマが設定されており、どの研究も非常に興味深いものでした。記憶B細胞ができるメカニズムについて(大阪大学、黒崎博士)、腸管において抗原の取り込みを担う細胞について(理研、大野博士)、亜鉛が免疫系に及ぼす影響について(徳島文理大学、深田博士)などのお話を聞くことができ、また懇親会や休憩時に先生方とお話しさせていただいたことで、疑問に思っていたことを解消することもできました。
このプログラムが来年度以降も存続するかどうかはまだ未定であるとのことでしたが、是非継続して開催していただければと願っております。

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シンポジウム「Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems」に参加して (e14)

有田 誠(理化学研究所統合生命医科学研究センター)

過日、理研IMSにて国際シンポジウム「Environment controlling normal and diseased hematopoietic and immune systems」が開催されました。私は理研IMSのメンバー、そして平成27年度から発足した新学術領域「リポクオリティ」の代表として、本シンポジウムの世話人である石川文彦先生からお声がけいただき、参加させていただきました。当日は120名を超える参加者で、会場はほぼ満杯となる大盛況でした。当初本シンポジウムの趣旨は、若手研究者や大学院生のモチベーションが高まるような領域横断的な機会を設けることと伺っており、実際に口頭発表に加えて多くのポスター発表があり、若手中心に活発な議論がなされていました。プログラム全体としては何か一つのテーマというよりはむしろ、多様な分野からサイエンスとして面白い演題を集めたように思われ、若手にとっても刺激的であり私自身も大いに楽しむことができました。
本シンポジウムの主題である「生体と環境との相互作用」は、我々の研究領域においても主要なテーマです。生体は常に外界(環境因子)の変化を感知して、適応することにより恒常性を維持しています。一方で脂質は「場」を作ることができる生体分子であり、生体膜の構成成分や生理活性物質の前駆体としていち早く環境変化を感知し、その局在や代謝の変化が様々なシグナル伝達に寄与していると考えられています。また、腸内細菌と宿主免疫系との相互作用や免疫細胞と周辺組織との相互作用などにおいても、脂溶性代謝物によるコミュニケーションの存在が示唆されています。このような低分子の動態を高精度に測定・可視化し、目的の生命現象との関連性を見出すためには、最新の質量分析技術は大いに威力を発揮します。今回のシンポジウムには当領域からも多くの若手研究者が発表・参加させていただきました。このような機会を通して領域横断的な交流が生まれ、新たな研究の枠組みが生まれるきっかけになればと願います。
最後に、本シンポジウムのオーガナイザー(石川文彦先生、茂呂和世先生、石井優先生)に感謝申し上げます。