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公募研究概要

転写因子によるリプログラミングを軸とした脾臓微小環境形成機構の解明

東京理科大学・生命医科学研究所・発生及び老化研究部門 後飯塚 僚

脾臓は血行性抗原に対する主要な免疫応答の場であり、リンパ節に存在する典型的な輸入・輸出リンパ管ならびに高内皮静脈などの構造がなく、辺縁洞とよばれる間葉系細胞から構成される血管洞様構造を介してリンパ球が組織に流入する特殊性を有する。一方、脾臓の器官形成に関与するNkxファミリー転写因子などの特殊要素ならびにリンパ節形成にも関わるリンホトキシン受容体シグナルなどの共通要素の異常により、脾臓において辺縁洞が消失し、赤脾髄に高内皮静脈やリンパ管シストが形成されることが報告されており、脾臓はリンパ節へリプログラミング可能な微小環境として捉えることが可能である。そこで、本研究では、脾臓のリプログラミングに関与する転写因子に焦点をあて、脾臓間葉系細胞におけるリプログラミング要素の欠損•過剰発現ならびにリンパ節原基などへの異所性発現系を用いて、その微小環境形成•維持に及ぼす影響について解析することにより、二次リンパ組織としての脾臓微小環境形成機構の特殊性と共通性の解明を目指す。