組織概要
疾患プロテオゲノム研究センターは、『ヒトゲノムとその遺伝情報発現を担うエピゲノムさらにその産物であるタンパク質情報を担うプロテオームの統合的理解、すなわち「プロテオゲノミクス」の遂行による、ヒトの健康の増進と疾患の克服』を目標に掲げる生命科学の研究拠点として始動しました。また、遺伝子実験施設を強化し、全学の遺伝子組換え実験に関する教育訓練、研究支援及び安全管理体制を充実させてまいります。3部門7分野の研究グループと、遺伝子組換え実験に関する研究支援に取り組む遺伝子実験施設を擁する、学内共同教育研究施設です。
○ ゲノム情報部門 新たな観点からの解析が必要なゲノム情報の包括的研究を基盤に、生命システムを統合する原理解明を目指すとともに、疾患の克服に向けた標的分子の同定を図ります。
・ゲノム機能分野(岡崎拓教授):1型糖尿病など自己免疫疾患の発症を制御するPD1の病態への関与を解明してきた実績をもとに、自己免疫疾患の原因解明と新規治療法の開発を目指しています。
・ゲノム制御分野(片桐豊雅教授):悪性腫瘍に発現変動する遺伝子のゲノム網羅的解析に関する先駆的な実績をもとに、ゲノム情報発現の病態制御とその臨床応用を目指した疾患ゲノム研究を推進しています。
○ 蛋白質情報部門 ゲノムにコードされる蛋白質機能の包括的研究を基盤に、生命システムを統合する原理解明を目指すとともに、疾患の克服に向けた分子同定を図ります。
・生体機能分野(親泊政一教授):蛋白質品質管理の分子機構と2型糖尿病における異常の解明に関する先鋭的な研究実績をもとに、生命システムの監視とその破綻の原理解明を目指しています。
・蛋白質発現分野(篠原康雄教授):エネルギー代謝と細胞死を統御するミトコンドリアに関する独自の研究実績をもとに、蛋白質機能の病態制御を目指したプロテオミクス解析研究を推進しています。
○ 生体情報部門 システム生命科学に基づいて高次生命システムを統合する原理の解明と、その破綻による疾患の理解を図ります。
・病態プロテオゲノム分野(6月1日教授着任予定)
・生命システム形成分野(高浜洋介教授):免疫細胞の運命分岐機構に関する先端的研究実績をもとに、生命システムの頑強性と適応性の原理解明とその破綻による免疫疾患発症機構の解明を目指しています。
● 遺伝子実験施設 (高浜洋介教授) 全学の遺伝子組換え実験を対象に安全管理の研究支援を担っています。また、共同利用実験室や共同利用機器の提供サービスを充実させています。
・遺伝子組換え実験安全取扱講習会: 徳島大学で遺伝子組換え実験に従事するために必要な安全取扱講習会を実施しています。全学的に年間約1600名(平成19年度実績)の受講を得ています。
・遺伝子解析ソフトウェア提供: 情報処理サーバの設置によって遺伝子解析ソフトウェアを学内向けにオンライン公開しています。全学的に約400名(平成19年度実績)の利用があります。
・共同利用機器室: センター1階に、内外から広く利用できる共同機器室4部屋を新設しました。遺伝子解析機器、蛋白質解析機器、細胞解析機器を含む約20機器を備えています。また、医学部先端研の協力でQ-TOF質量分析による蛋白質同定受託業務を実施しています。
・共同利用実験室: 徳島大学での疾患研究を更に充実させるため共同利用実験室を設置しています。また、放射性同位元素研究施設とspecific-pathogen-freeマウス用の動物実験室を設置しています。学内外からの利用を歓迎しています。