サイクリンDキナーゼ(CDK4/6)の活性調節機構と発癌制御について
1 p16INK4a 遺伝子発現制御機構の解明
2

Epstein-Barr Virus (EBV)によるp16INK4a /RB-pathway遮断の分子メカニズムの解明とその癌治療への応用

3 E2Fの活性制御機構と発癌の関係について
5 発癌ストレスと個体老化の関係について

サイクリンDキナーゼであるCDK4,6はp16INK4aの直接のターゲットであり、様々な種類の癌において異常な活性化が認められています。他のCDKと同様、CDK4,6もサイクリンと結合することにより活性化しますが、その結合を促進するアセンブリーファクターの存在が示唆されていました。我々は1999年にそのアセンブリーファクターのひとつである可能性が高い、CDK4結合蛋白、p34SEI-1をyeast two-hybridスクリーニングにてクローニングし、p34SEI-1がCDK4の活性を調節している可能性があることを示しました(Sugimoto et al., Genes & Dev., 1999)(図―3)。また最近、p34SEI-1がG0期からS期への細胞周期の移行に重要であることも見出しました (Sugimoto et al., Oncogene, 2002)。今後はp34SEI-1のノックダウン細胞やノックアウトマウスを用いたり、その結合蛋白などを同定することによりその制御機構を解明し、発癌機構の解明や癌治療の可能性を検討します。

図−3