高浜洋介

 

Synthetic Immunology近刊

計画班員の渡邊武博士の肝いり研究テーマは「人工的な免疫組織の構築による疾患制御」である。このテーマにて、博士のリーダーシップで「Synthetic Immunology Workshop」を設立し、現在までに四回の学術会議を開催してきている。その趣旨と成果をまとめた本「Synthetic Immunology」が近々Springer社より刊行される。

Synthetic immunologyは、本領域の掲げる両輪「Analysis and Synthesis」のひとつであり、今後の免疫学の重要な方向である。この本は、その現状の一端について、とりわけT細胞を含む免疫細胞とリンパ節を含む免疫組織の構築と再生に関してまとめた力作である。本領域からも、渡邊博士らのほか、総括班の河本博士らと中村博士らに執筆いただいた。すでに購入予約のできる本屋もあるようである。

9784431560258

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高浜洋介

 

Immunological Reviews新刊

免疫学分野での論説誌は世界中で多数出版されているが、それらのなかでImmunological Reviews誌は硬派の論説を掲載する学術誌として異彩を放っている。創刊1969年の老舗であり、その第1巻第1号の巻頭には、Miller & Mitchellによる「T細胞とB細胞の発見」に関する自説展開が掲載されている。いまも生きる特徴として、生データの掲載を厭わない点を挙げることもできる論説誌である。

そのImmunological Reviews誌の最新刊(5月の新刊)は、「The Thymus, Lymph nodes, and Lymphatics」と題して、Thomas Bohm博士が編纂した特集号である。Boehm博士は、フライブルグのマックスプランク免疫生物学研究所の所長であり、Foxn1発見者としても知られる。タイトルから明白なように、胸腺・リンパ節・リンパ管系と、本領域の研究対象に大きくオーバーラップするテーマが掲げられた最新論説集である。そのなかには当該領域を牽引する18の研究グループからの論説がおさめられているが、本邦から3研究グループ、そのうち本領域から2グループが論説を掲載している。国際的にみた本邦ならびに本領域の位置づけについて、その一端をみてとることのできる一冊である。

ircover2016

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高浜洋介

 

黒木登志夫著「研究不正」

黒木先生から新刊のご案内をいただき、連休を利用して博士の近著「研究不正」を読んだ。個人的にとりわけ目新しいことが書かれていたわけではなかったが、近年の本邦での研究不正事例に心を痛めてきた研究者のひとりとして、多くの深刻なエピソードや有用な提言に心を留めつつ読み終えた。研究不正の実例としては以前このブログで紹介した「Emil Ruppの事例」も衝撃的である。

ともあれ、学術の将来のためには、研究不正が繰り返されないための工夫が重要だと、思いを新たにした。特に、実際に研究にとりくみはじめる前の、学部生や受験生あたりの世代に、研究に取り組むことの大切さやおもしろさを説くと同時に、研究不正の類型を教え、その代償の大きさを教育することも有効な方策ではないかと考える。

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