月別アーカイブ: 2015年11月

高浜洋介

 

村上正晃博士セミナー

村上正晃博士の研究セミナーをうかがう機会を得た。徳島大学の医歯薬学系大学院では、組織横断的に学生を指導する教育クラスターがいくつか形成されていて、そのうちのひとつとして「感染・免疫クラスター」が組織されている。大学院生を中心に教員を含めて40〜50人ほどのグループで、年に一度は研究室をまたいでの議論と交流の場としてミニリトリートを催している。今年度のミニリトリートに、北海道大学から村上正晃博士をお招きして講演いただいた。

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中枢性神経疾患のひとつ自己免疫性多発性硬化症では、炎症性免疫細胞が脳血流関門を通り抜けて中枢神経系へと侵入する。その仕組みは長年まったくわかっていなかったが、村上博士らはマウスを用いた実験から、第5腰椎の血管内皮細胞だけが重力依存性に炎症性ケモカインCCL20を発現し、脳血流関門を開くことで炎症性免疫細胞の侵入をゆるすことを明らかにされた。その後、電気刺激や痛みによっても、脳血流関門が開門することを明らかにしておられ、脳血流関門の制御システムとして「ゲートウェイ反射」という概念を提唱するに至っておられる。その人為的制御は自己免疫性多発性硬化症などの難病の制御につながると期待される。優れた免疫の「場」研究である。

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高浜洋介

 

Steve Jameson博士来訪

日々の研究を一緒にしている准教授の高田健介博士は博士研究員時代、Steve Jameson博士の研究室で研鑽した。その縁もあってJameson博士は今や、いくつかの研究テーマをご一緒するに至っている共同研究者である。専門がより近い妻君Kris Hogquist博士とともに、長く交流を温めている友人でもある。そのJameson博士がこの度、日本免疫学会学術集会シンポジウムに招かれて来日された。その往路、徳島に立ち寄っていただき、セミナーをしていただくとともに交流を深める機会を得た。写真は、鳴門の渦潮を楽しむJameson博士と高田博士。

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免疫学会が開催された札幌は、徳島に比べて10度以上温度が低く、雪こそ降っていなかったが最低気温は市内でも氷点下。寒かった。

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高浜洋介

 

髄質上皮に関する本邦論文3報

昨日から本日にかけて髄質上皮に関する興味深い論文3報が公開された。いずれも本邦発の論文で、そのうち2報は本研究班の班員による論文である。

ひとつめは、本研究班の計画研究班員福井宣規博士らの論文(11月4日づけ)で、Jmjd6がAireのRNAスプライシングを調節することで髄質上皮細胞による自己寛容確立に寄与することの発見である。班会議等でも議論されていた秀れた成果、大学院生の柳原君をフィーチャーした力作の公開は誠に喜ばしい。

ふたつめは、高柳広博士らの論文(11月5日づけ)で、髄質上皮細胞に高発現される転写因子としてFezf2を見出し、Aireとならんで髄質上皮細胞による自己寛容確立に関与することを発見した。髄質上皮細胞の機能研究に新たな展開が期待される。

みっつめは、私たちの研究室から助教の大東いずみ博士らが報告した論文(11月5日づけ)で、生後期における髄質上皮細胞の維持と再生に、皮質髄質共通前駆細胞よりも髄質に系列決定された細胞の寄与が大きいことを見出した報告である。本研究班計画班員の湊長博博士と公募班員の濱崎洋子博士らが昨年報告した髄質上皮特異的幹細胞の寄与を含め、髄質上皮細胞の分化・維持・再生機構を明らかにしていくうえで重要なステップと考えられる。

胸腺髄質上皮細胞の分化とその自己寛容確立機能を支える機構は、自己免疫疾患の根本的制御を指向するうえで重要な基盤である。この研究領域における我が国の貢献が示された秋の日である。

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