月別アーカイブ: 2015年5月

高浜洋介

 

ベルグラード大学

米国アリゾナ大学のJanko Nikolich-Zugich博士は、約10年前にGlobal Thymus Networkをともに立ちあげた同志であり、ポスドク時代からの旧友である。この度、Nikolich-Zugich博士が母国セルビアでふたつの会議を主催するとのことでお誘いいただき、セルビア共和国とその首都ベルグラードを初訪問する機会を得た。旧ユーゴスラビアのセルビアは、ビザンチン帝国時代からオーソドックスキリスト教会の国として栄え、度重なる戦争を経たのち2006年にモンテネグロと袂を分かち、現在の国家に至っている。いまもコソボ紛争を抱え、ベルグラード市内にはNATO軍による空爆のあとが生々しく残されていた。戦争の傷は深い。

このセルビアで生まれ育ち、ベルグラード大学で医学そして免疫学を学んだNikolich-Zugich博士が、母国と母校に誘ってくださったのである。まず、ヨーロッパ免疫学会連合(EFIS)主催シンポジウム「3rd BELGRADE EFIS Symposium on Immunoregulation」で講演の機会をいただくとともに新旧の知己と交流し、その後、彼の恩師Mio Lukic博士とMarija Mostarica-Stojkovic博士を囲んでのベルグラード大学医学部でのワークショップで旧交を温めた。後者はとりわけ、Nikolich-Zugich博士から恩師への感謝があふれる、心豊かな学術集会であった。

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ベルグラードの空港にはニコラ・テスラの名前がつけられていた。磁場の単位にその名を残す、優れた物理学者である。

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ベルグラード市内を滔々と流れるドナウ川。美しいものは美しい。

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Nikolich-Zugich博士が会議の合間に連れて行ってくれたStudenica修道院。セルビア王国初代国王のステファン・ネマニャが開き、セルビア正教会の信仰がいまも生きたる修道院である。13世紀のフレスコ画やその襲撃の痕跡に、人間の営みの素晴らしさや愚かさが明白で、心打たれた。母国を愛し自らの受け継いできた伝統に誇りを持つNikolich-Zugich博士の思いが熱く伝わるセルビア訪問であった。

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高浜洋介

 

Deutsches Krebsforschungszentrum再訪

Deutsches Krebsforschungszentrum (German Cancer Research Center)、通称DKFZを再訪する機会を得た。前回の訪問時にはまだ着任しておられなかったHans-Reimer Redewald博士が、前回のホストBruno Kyewski博士とともに誘ってくださった。活発な議論と温かい旧交を楽しむとともに、折しも旬であったSpargel(白アスパラガス)を堪能することができた。皮をむいて単純に茹でたものがまことに美味であった。

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新しい研究棟には、研究所の歴史を紹介する古い研究機器が展示されていて興味深かった。写真は、タバコの実験動物への影響を調べるために作られた機械とのこと。1968年製、時代を感じる。

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DKFZは、ドイツでも有数の美しい都市ハイデルベルグにある。好天の夕刻、ハイデルベルグ城の美貌を垣間見ることができた。

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高浜洋介

 

渡辺政志博士セミナー

米国National Institutes of Health (NIH) の渡辺政志博士がセミナー来訪された。渡辺博士は、東京理科大学の安部良博士の研究室出身で、一貫してT細胞活性化シグナルの研究に取り組んでおられる。現在はNational Cancer Institute (NCI) のExperimental Immunology Branch (EIB) の Richard Hodes 博士の研究室に所属しておられ、すでに6年たったとのこと。先週開催されたKTCCにあわせて帰国し、今週は連日いろいろな大学や研究所を歴訪しておられる。

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セミナーは、TCRシグナルとサイトカインシグナルの連携にp53が重要な役割を示すとの発見を骨子とする明快な内容であった。疑問設定として「T細胞はどうしてサイトカインシグナルだけで増殖をはじめないのか」と提起して、「TCRシグナルがp53の分解を誘導するから」と解を与えるスタイルは、EIBの面目躍如といえると思った。彼の所属するNIHのNCIのEIBは私の古巣でもある。共通の知人も多い。なんだかなつかしい空気を運んできてくれたセミナーであった。

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