研究成果


原著論文
(2010- 主として当研究室で行われたものに限定しています)


Hiroshima Y, Yamamoto T, Watanabe M, Baba Y, Shinohara Y.
Effects of cold exposure on metabolites in brown adipose tissue of rats
Mol Genet Metab Rep 15(2018)36.
これまで研究室で取り組んできた「動物の褐色脂肪組織は寒冷暴露でどのように変化するのか」という課題にメタボローム解析の観点で解析を進め、褐色脂肪組織ではエネルギーチャージの低下と脂肪酸、アシルカルニチンの増加が起こることを確認した。

Yamagoshi R, Yamamoto T, Hashimoto M, Sugahara R, Shiotsuki T, Miyoshi H, Terada H, Shinohara Y.
Identification of amino acid residues of mammalian mitochondrial phosphate carrier important for its functional expression in yeast cells, as achieved by PCR-mediated random mutation and gap-repair cloning.
Mitochondrion 32(2017)1.
哺乳類のリン酸輸送体はプレシーケンスを削除すれば酵母で発現させることができるが、このように発現させたリン酸輸送体はリン酸輸送活性を示さなかった。復帰変異株の解析によって、機能発現させるために点変異の導入が必要であることが判明した。

Yamamoto T, Yamagoshi R, Harada K, Kawano M, Minami N, Ido Y, Kuwahara K, Fujita A, Ozono M, Watanabe A, Yamada A, Terada H, Shinohara Y.
Analysis of the structure and function of EMRE in a yeast expression system.
Biochim Biophys Acta 1857(2016)831.
酵母のミトコンドリアに哺乳類ミトコンドリアのCa2+チャネルを機能発現させることに成功し、そのサブユニットであるEMREの役割を明らかにすることに成功した。

Yamamoto T, Matsuo T, Yamamoto A, Yamagoshi R, Ohkura K, Kataoka M, Shinohara Y.
Immunoblotting with peptide antibodies: Differential immunoreactivities caused by certain amino acid substitutions in a short peptide and possible effects of differential refolding of the peptide on a nitrocellulose or PVDF membrane.
Methods Mol Biol 1348(2015)303.
短いペプチドに対する抗体の反応性が、ペプチド中のエピトープ以外の部位に導入された変異によって大きく変化することを発見し、ペプチドが膜上でfoldingした結果、抗体の反応性に影響した可能性を指摘した。

Yamamoto A, Hasui K, Matsuo H, Okuda K, Abe M, Matsumoto K, Harada K, Yoshimura Y, Yamamoto T, Ohkura K, Shindo M, Shinohara Y.
Bongkrekic acid analogue, lacking one of the carboxylic groups of its parent compound, shows moderate but pH-insensitive inhibitory effects on the mitochondrial ADP/ATP carrier.
Chem Biol Drug Des 86(2015)1304.
九大先導研の新藤 充教授との共同研究の成果。ADP/ATP輸送体の阻害剤として知られるボンクレキン酸の作用は反応溶液のpHに大きく依存することが知られていたが、pH依存性の少ない誘導体を見つけることができた。

Kuwahara K, Harada K, Yamagoshi R, Yamamoto T, Shinohara Y.
Effects of employment of distinct strategies to capture antibody on antibody delivery into cultured cells.
Mol Cell Biochem 404(2015)25.
抗体補足機構の異なる2つの抗体導入試薬を用いて培養細胞への抗体導入実験を行った。両者とも抗体を導入することができたが、抗体の取り込み量はトランスフェリンの取り込み量に比べると10分の1程度だった。protein Aで抗体を補足する導入試薬については細胞あたりの抗体取り込み量が130fgであったが、hydriphobic motifで抗体を補足する導入試薬では蛍光スペクトルの赤色シフトが起こり、正確な取り込み量の算出ができなかった。

Yamamoto T, Ito M, Kageyama K, Kuwahara K, Yamashita K, Takiguchi Y, Kitamura S, Terada H, Shinohara Y.
Mastoparan peptide causes mitochondrial permeability transition not by interacting with specific membrane proteins but by interacting with the phospholipid phase.
FEBS J 281(2014)3933.
ハチの毒成分として知られるマストパランは、ミトコンドリアの透過性遷移を誘起することが報告されていたが、その作用発現機構については明らかにされてなかった。本研究ではD-アミノ酸で構成されるインベルソ型や逆のアミノ酸配列を持つレトロ型などのペプチドを調製し、ミトコンドリアへの作用を解析することにより、マストパランのミトコンドリアにおける作用部位が特定のたんぱく質ではなく、リン脂質膜であることを明らかにした。

Ido Y, Yoshitomi T, Ohkura K, Yamamoto T, Shinohara Y.
Utility of syntenic relationships of VDAC1 pseudogenes for not only an understanding of the phylogenetic divergence history of rodents, but also ascertaining possible pseudogene candidates as genuine pseudogenes.
Genomics 104(2014)128.
ゲノム解析の結果、ラット、マウス、ヒトのゲノムにはVDAC1をコードする偽遺伝子がそれぞれ16、15、13本存在し、構造類似性のやや劣る偽遺伝子もどきが4、2、1本存在することを明らかにした。synteny解析により、ラットの2つの偽遺伝子もどきはマウスの偽遺伝子と、またマウスの1つの偽遺伝子もどきがラットの偽遺伝子と遺伝的に保存されていることを明らかにした。

Hada T, Yamamoto T, Yamamoto A, Ohkura K, Yamazaki N, Takiguchi Y, Shinohara Y.
Comparison of the catalytic activities of three isozymes of carnitine palmitoyltransferase 1 expressed in COS7 cells.
Appl Biochem Biotechnol 172(2014)1486-96.
カルニチンパルミトイル転移酵素の3つのアイソザイムの機能特性を比較したところ、1cアイソザイムが不活性な酵素であることを明らかにした。また、1cアイソザイムが不活性である領域の探索を進め、触媒活性に重要であるとされるC末領域が原因ではないことを明らかにした。

Yamamoto T, Tamaki H, Katsuda C, Nakatani K, Terauchi S, Terada H, Shinohara Y.
Molecular basis of interactions between mitochondrial proteins and hydroxyapatite in the presence of Triton X-100, as revealed by proteomic and recombinant techniques.
J Chromatogr A 1301(2013)169-78.
ミトコンドリア内膜の溶質輸送担体は非イオン性界面活性剤で可溶化した状態ではヒドロキシアパタイトカラムと相互作用せず、flow through画分に回収される。この理由を理解するために、プロテオミクス解析とキメラタンパク質を用いた解析を行った。その結果、これらのタンパク質はいずれも疎水性が高く、非イオン性界面活性剤に包み込まれた状態であることが原因であることを明らかにした。

Hada T, Kato Y, Obana E, Yamamoto A, Yamazaki N, Hashimoto M, Yamamoto T, Shinohara Y.
Comparison of two expression systems using COS7 cells and yeast cells for expression of heart/muscle-type carnitine palmitoyltransferase 1.
Protein Expr Purif 82(2012)192-6.
筋型カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼをCOS細胞に発現させた場合と酵母に発現させた場合にどのような違いが観察されるか比較し、違いをもたらす可能性のある要因について議論した。

Ido Y, Yamamoto T, Yoshitomi T, Yamamoto A, Obana E, Ohkura K, Shinohara Y.
Pseudogenes of rat VDAC1: 16 gene segments in the rat genome show structural similarities with the cDNA encoding rat VDAC1, with 8 slightly expressed in certain tissues.
Mamm Genome 23(2012)286-93.
ラットのゲノム解析の結果、VDAC1遺伝子には16ものpseudogeneがあることが判明した。いずれもprocessed pseudogeneであり、そのうちの8種は脳や精巣などで転写されているが、タンパク質の鋳型としては機能していないことが明らかになった。

Obana E, Hada T, Yamamoto T, Kakuhata R, Saze T, Miyoshi H, Hori T, Shinohara Y.
Properties of signal intensities observed with individual probes of GeneChip Rat Gene 1.0 ST Array, an affymetric microarray system.
Biotechnol Lett 34(2012)213-9.
random primerを用いてmRNAを逆転写するAffymetrix社のオリゴアレイシステムについて、それぞれのプローブのシグナル強度の特性について解析を行った。その結果、プローブのシグナル強度はmRNA上での位置に依存しないこと、同じ遺伝子を検出するプローブであってもプローブ間でシグナル強度が比較的異なるが、この違いが実験誤差によるものではないことを明らかにした。

Kawashima S, Yamamoto T, Horiuchi Y, Fujiwara K, Gouda S, Yoshimura Y, Yamamoto A, Inotani Y, Yamashita K, Kitamura S, Terada H, Kanematsu M, Shishido K, Shinohara Y.
S-15176 and its methylated derivative suppress the CsA-insensitive mitochondrial permeability transition and subsequent cytochrome c release induced by silver ion, and show weak protonophoric activity.
Mol Cell Biochem 358(2011)45-51.
透過性遷移の阻害活性が報告されたS-15176という化合物が、一般的な透過性遷移の阻害剤であるシクロスポリンAに耐性を示す透過性遷移も抑制することから、S-15176がより普遍的な透過性遷移の阻害剤であることを明らかにした。また、S-15176中に含まれる水酸基の効果を検討するため、そのメチル化誘導体を合成し、活性の評価を行った。

Watanabe M, Yamamoto T, Yamamoto A, Obana E, Niiyama K, Hada T, Ooie T, Kataoka M, Hori T, Houchi H, Shinohara Y.
Differential effects of cold exposure on gene expression profiles in white versus brown adipose tissue.
Appl Biochem Biotechnol 165(2011)538-47.
動物を寒冷条件下に曝すと、熱産生を活性化するために褐色脂肪組織における遺伝子発現が顕著に変化する。動物を寒冷暴露した際に、白色脂肪組織ではどのような変化が起こるのか検討した結果、白色脂肪組織ではほとんど遺伝子発現の変化が見られないことが明らかになった。

Okada N, Yamamoto T, Watanabe M, Yoshimura Y, Obana E, Yamazaki N, Kawazoe K, Shinohara Y, Minakuchi K.
Identification of TMEM45B as a protein clearly showing thermal aggregation in SDS-PAGE gels and dissection of its amino acid sequence responsible for this aggregation.
Protein Expr Purif 77(2011)118-23.
白色脂肪組織に選択的に発現している遺伝子を探索した結果、TMEM45Bと名付けられた機能が未同定の膜タンパク質をコードしていると思われるcDNAを得ることができた。TMEM45Bの機能を解明する目的で、動物細胞に発現させたところ、発現したTMEM45BがSDS存在下でも凝集体を形成することが明らかになった。凝集体形成のメカニズムを解析したところ、4〜7番目の推定膜貫通領域が凝集を引き起こすこと、またこの領域は別のタンパク質に付加しても、そのタンパク質を凝集させる能力を持っていることが明らかになった。

Yamamoto T, Yamamoto A, Watanabe M, Kataoka M, Terada H, Shinohara Y.
Quantitative evaluation of the effects of cold exposure of rats on the expression levels of ten FABP isoforms in brown adipose tissue.
Biotechnol Lett 33(2011)237-42.
動物を寒冷暴露した際に褐色脂肪組織でFABP3の発現が顕著に亢進することを以前に見出していたが、FABPには10種のアイソフォームがあり、個々のアイソフォームがどのような発現を示すのか明らかでなかった。本研究では寒冷暴露に伴うそれぞれのアイソフォームの転写レベルおよびタンパク質レベルの変動を定量的に評価し、FABP3の重要性について議論した。

Yamamoto T, Ohashi M, Mizutani S, Yoshimura Y, Obana E, Terada H, Shinohara Y.
Use of highly purified and mixed antibodies for simultaneous detection of multiple protein species released from mitochondria upon induction of the permeability transition.
Appl Biochem Biotechnol 163(2011)64-70.
アポトーシス誘導剤のhigh-throughputなスクリーニング系の確立に向け、ミトコンドリアタンパク質の動向を短時間で評価する方法の開発に取り組み、高度に精製された抗体を混和すると複数種のタンパク質の動向を定量的に評価可能であることを示した。

Katsuda C, Niiyama K, Obana E, Yamamoto T, Katou Y, Kataoka M, Ohkura K, Shinohara Y.
Specific formation of trypsin-resistant micelles on a hydrophobic peptide observed with Triton X-100 but not with octylglucoside.
Biochim Biophys Acta 1798(2010)2090-3.
疎水性ペプチドを少量の界面活性剤で溶解した状態でトリプシンを添加すると疎水性領域ではペプチドの切断が起こらず、親水性領域でのみ切れることを明らかにした。ペプチドの疎水性領域、親水性領域を実験的に証明する方法として期待される。

Umemoto Y, Kataoka M, Yatsushiro S, Yamamura S, Ooie T, Kido J, Yamamoto T, Shinohara Y, Baba Y.
Analysis of DNA ligation by microchip electrophoresis.
J Pharm Biomed Anal 52(2010)323-8.
マイクロチップ電気泳動装置の特徴として、迅速な分離分析に加え、微量の試料で解析が可能であることが挙げられる。後者の特性を利用して、DNAのligation反応で生じる反応産物の解析を行った。目的の組み換え体を得るために重要である要因を説明する結果が得られた。

Matsuo T, Yamamoto A, Yamamoto T, Otsuki K, Yamazaki N, Kataoka M, Terada H, Shinohara Y.
Replacement of C305 in heart/muscle-type isozyme of human carnitine palmitoyltransferase I with aspartic acid and other amino acids.
Biochem Genet 48(2010)193-201.
筋型CPT1のC305のアミノ酸置換がタンパク質の活性や発現レベルに及ぼす影響を検討した。20種のアミノ酸に置換した結果、機能が類似したタンパク質で用いられているアスパラギン酸だけを許容することを示すことができた。



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