日々思うこと

2021.01.232021年 新年のご挨拶

今年も何卒よろしくお願い申し上げます。
毎年同じことを述べていますが、昨年は3回しか更新できておらず、さらに物理的に時間を割くことができない日々を送っています。とはいえ、私のボスの中村祐輔先生は、お立場もお仕事の内容も私などよりも重く、ハードでありながら、ご自身のブログを週に2〜3回は更新されており、改めてその超人ぶりを感じている次第です。実際、比べること自体ナンセンスなのですが。
 改めて、昨年の「日々思うこと」を読み直してみますと、昨年1月6日に「新年のご挨拶」を述べさせていただいておりました。その際には、新型コロナウイルスなど全く知らない時でありましたが、ご存じの通り、その後、想像だにしなかった世界的流行のパンデミックとなり、非常事態宣言による経済停滞、その後、第2波、第3波、現在は想像を超える感染爆発の状況となり、さらに変異型ウイルスの脅威にも依然さらされ、本当に世の中がどうなるのか、そもそも研究など行えない(行うべきではない)という恐怖を感じた年でした。このような世の中になると誰が予想していたでしょうか。特に、「感染予防のためにヒトと距離をとる。ヒトと会わない」というのは、これほどストレスとなり、苦しいものであることは想像を遙かに超えていました。

 ここで、昨年のことを振り返ってみたいと思います。
 今年度も研究室配属として医学科3年生の井上実香さんが研究室に参加してくれました。参加当初から、コロナ禍となっており、研究室への実際の参加自体も遅れ、歓迎会も、そして、今になっては送別会も送ることができませんでした。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。このような中でも、徳島県は幸いにも感染者が全国の他の地域よりも少ないことが幸いして、ある程度、研究室に来て実験を行うことができ、その限られた中で集中して取り組んでくれました。オンラインでの指導も交えてですが、実験結果を発表することもできたことに安堵しております。限られた時間だったので、十分とは言えませんが、結果よりも論理的に思考すること重要性、その一端は理解してもらえたのではないかと思っております。
 また、同じく5月頃からStudent lab企画で、医学科1年生の小野川希さん、末永あおいさんが研究室に参加してくれました。彼女たちもこのコロナ禍の状況でありながら、二人ともこれまで全く実験自体も行ったことありませんでしたが、自発的に、そして非常に意欲的に研究室にきて、実験をし、そしてオンラインも利用して「がんの生物学」を教科書とした勉強会に参加してくれました。コロナがなければ、もっと指導できたのですが、その中でも意欲的に取り組んでいることは本当に嬉しいことでした。彼女たちの前向きな姿勢に助けられたところもあります。引き続き頑張ってもらいたい気持ちでいっぱいです。

 今年度より、大きく変わったのは、私自身が研究所長という大役を拝命したことです。非常に重責で、自分の経歴、そして能力からはとても担えないことでありますが少しでも研究所、そして研究所員の発展に微力を尽くせればと思いからこの大役を僭越ながらお受け致しました。下記の文面は、所長の推薦を受けた際に、学長、執行部に先生方を前に述べた所信の一部抜粋したものです。この気持ちを忘れずに今年も尽力出来ればと思っております。
 
「自分自身も含め、我々、研究所に所属する者は、現在の研究所の置かれた現状を理解し、知恵を出し合い、一丸となって研究成果を発信しつづけること、そして、次世代を担う若手研究者に「徳島大の酵素研で研究をしたい」と思わせる魅力ある研究所に変わらなければならないと思っております。

現在、幸いにも、私達の研究所には多くの優秀な研究者が在籍しております。このように、高い個の力を有する研究者のさらなる発展を促すには、各研究者が研究に没頭し、研究成果を発信しつづけることができる環境を整え、運営される必要があります。このような背景からも、先端酵素学研究所の所長は、「研究所の顔」となる成果の発進はもちろんのこと、先見を見据えた洞察力・行動力、そして各研究者を一丸とする折衝力を必要とする重責です。

私自身、研究所の重点項目としてあげた慢性炎症疾患の1つであるがんの基礎研究、創薬研究について、これまで以上に高品質の研究の継続的な遂行と成果を発進し、研究所の顔となるべく奮励努力する所存です。研究所の皆様はもとより、多くの諸先生方のご指導を仰ぎつつではございますが、当研究所の発展に微力を尽くして参りたいと存じます。ご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。」

 毎年毎年のことですが、今年も心身ともに健康で、そして、私の研究室の仲間と一緒に良い成果を上げられるように、そしてその先で、喜びを分かち合えるように、頑張っていきたいと思っています。本年もどうぞよろしくお願い致します。